こんにちは、ビークプロモーションの小田島です。
先日、とあるお笑いの賞レースで、ある芸人さんが審査員として放った言葉が非常に印象的でした。その内容は、単なるお笑い論に留まらず、我々が日々向き合っている「商用のウェブ制作」の本質を突いていると感じたのです。
商用ウェブサイトを公開することは単なる「発表会(ショー)」ではなく、それは成果を競い合う「競技」のステージに立つこと、と言い替えられるはずです。
目次
デザインという「演技力」で情報を届ける
漫才において、どれほど台本が良くても、それを届ける「演技力」がなければ観客には伝わりません。ウェブ制作におけるデザインも、これと同じことが言えます。
デザインは単なる装飾ではなく、伝えるための技術
デザインを単に「見た目を整えること」だと思っていると、競技としてのウェブ制作では勝てません。
- 視線の誘導: 漫才師が表情や身振りで客の注目を集めるように。
- 情報の強弱: 大事な「ボケ」を際立たせるためにフリを効かせるように。
これらを高いレベルで実行する「演技力」としてのデザインがあって初めて、クライアントのメッセージはユーザーに届くのです。
“シャバい掛け合い”は、ユーザーに一瞬で見抜かれる
その芸人さんは、技術の伴わない安易な構成や、どこかで見たような予定調和な展開を厳しく指摘していました。ウェブサイトの世界でも、この「シャバい(=中身がなく、とりあえず格好をつけているだけ)」な状態は致命的です。
表面的な模倣は「透けて」見える
「今流行っているから」「他社がやっているから」という理由だけで、本質的な課題解決を無視したUIや、意味のないアニメーションを盛り込んでいないでしょうか。
- 違和感のある導線: テンポの悪い掛け合いのように、ユーザーをイライラさせます。
- 中身のないキャッチコピー: 芯のないボケが滑り続けるように、信頼を失います。
現代のユーザーは非常に目が肥えています。「本気でこちらの課題を解決しようとしていないな」という姿勢は、そのサイトの挙動や構成から一瞬で見抜かれてしまうのです。
私たちがウェブサイトを公開する瞬間、それは「素晴らしいものを作りました」というショーの終わりではなく、評価が下される「競技」の始まりです。
審査員は「ユーザー」と「数字」
漫才の大会に点数がつくように、商用サイトにも明確な「スコア」がつきます。
- コンバージョン率(成約率)
- 滞在時間と離脱率
- 検索順位と流入数
これらの数字は、残酷なほど正直です。「頑張って作ったから」という言い訳は通用しません。公開された瞬間に、競合他社というライバルたちと同じ土俵に立ち、誰が最もユーザーの心を動かしたかを競うショーレースが始まっているのです。
勝つための「競技姿勢」を忘れない
ウェブ制作を「自己表現の場(ショー)」だと勘違いしてはいけません。 私たちが作っているのは、クライアントのビジネスを勝利に導くための「競技用の機材」であり、そのパフォーマンスそのものです。
- デザインを「伝えるための演技力」として磨き上げる。
- 安易な模倣や“シャバい”設計を排除し、本質で勝負する。
- 常に「数字という点数」で評価される競技であることを意識する。
このストイックな姿勢を持ち続けることこそが、プロとして選ばれ続ける唯一の道だと私は確信しています。