2017年以降、200社以上の中小企業のWeb課題診断をやってきて、岩手・東北の経営者の方々に共通して見える「ボトルネック」が、ほぼ5つに収束しました。本記事ではその5つを、現場で見てきた実例と合わせて整理します。

盛岡で制作会社をやっていて、新規のお客様の初回ヒアリングで「うちのサイト、見てもらっていいですか」と言われることがよくあります。一通り拝見して、Web課題診断のレポートをお出しするのですが、岩手の中小企業の方が抱えている課題は、業種が違っていても、不思議なくらい同じ5つのパターンに収束しています。
この記事では、私が現場で繰り返し見てきた5つのボトルネックを、それぞれの「症状」「原因」「解決の方向性」に分けて整理します。御社のサイトに当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてみてください。
目次
① 「会社案内」止まりで、課題提起がない
症状:トップページに「私たちは〇〇な会社です」「事業内容」「会社概要」が並んでいる。けれど「あなたのこの悩み、解決できます」というメッセージがない。
原因:サイトを作るときに「自分たちを紹介する」を主目的にしてしまっている。本来は「お客様の課題を解決する場所」として設計すべきところを、自社紹介の場として運用しているケースが多い。
解決の方向性:トップのファーストビューを「会社名・事業内容」から「お客様の課題+解決提示」に変える。例:「岩手の◯◯業の経営者へ。◯◯でお困りでしたら、当社が◯◯します」のような構成。
② 問い合わせフォームが画面の奥にある
症状:問い合わせフォームに辿り着くまでに、ヘッダーメニューを開いて、3〜4階層下って、ようやくフォームに着く。フォームに着いてからも、入力項目が10個以上ある。
原因:「フォームに入る人=本気の人」という前提でフォームを設計している。実際は、興味を持ちかけた人ほど、フォームの入口で離脱する。
解決の方向性:フォーム入口を、トップから1クリックで到達できる位置に固定する(ヘッダー右上+フッター+各ページ末尾)。入力項目を「お名前・連絡先・ご相談内容」の3点に絞り、それ以上はお問い合わせ後にヒアリングで埋める。
③ スマートフォン表示で文字が小さい・ボタンが押しにくい
症状:パソコンでは綺麗に見えるが、スマホで開くと文字が極端に小さい、横にはみ出る、ボタンが指で押しにくい。
原因:制作時に「レスポンシブ対応」と謳いつつ、デスクトップを基準にデザインし、スマホは「縮小版」として扱っている。岩手の中小企業のお客様の問い合わせは、スマホ経由が7割以上のケースがほとんど。
解決の方向性:「モバイルファースト」でデザインし直す。スマホでファーストビューに「キャッチコピー+電話/フォーム導線」が確実に収まる構成にする。文字サイズは最低16px、タップ領域は最低44×44px。
④ 検索しても出てこない(地域名×業種で勝負していない)
症状:Googleで「盛岡 ◯◯業」「岩手 ◯◯」と検索しても、自社サイトが上位に出てこない。会社名で検索しないと辿り着けない。
原因:サイトのタイトル・見出し・本文に「地域名×業種」のキーワードが組み込まれていない。Googleからすると「この会社がどの地域の、どの業種の会社か」が分かりづらい構造になっている。
解決の方向性:トップページとサービスページのタイトル・H1・H2・本文に「盛岡」「岩手」「業種名」を自然に織り込む。さらに、業種別・市町村別のサブページを用意して、ローカル検索の網を広げる。Googleビジネスプロフィール(MEO)との連動も標準化する。
⑤ 公開して終わっている(運用・改善のサイクルがない)
症状:3年前にサイトを作った。それから一度も更新していない。記事も追加していない。アクセスを見たこともない。
原因:「ホームページは作ったら完成」という前提で発注している。制作会社側も「納品して終わり」モデルで動いているので、運用後のサポートが切れる。
解決の方向性:公開後の「運用ルーチン」を制作時に決める。月1回のアクセスレビュー、四半期に1記事の追加、半年ごとの改善打ち手。これを「自社でやる/制作会社に任せる/ハイブリッド」のどれかで明文化する。「作って終わりにしない」を契約段階で約束する。
5つを総合すると、見えること
この5つのボトルネックを並べると、見えてくるのは「Webサイトを『紙のパンフレット』として扱っている」という共通の前提です。岩手の中小企業の経営者の方々は、皆さん真面目に、丁寧に、自社を紹介するサイトを作っている。けれど、Webの本質は「訪問者を動かす場所」であって、「自社を紹介する場所」ではない。
この前提が変わると、トップの作り方も、フォームの位置も、スマホ表示の優先順位も、SEOの設計も、運用の頻度も、全部変わります。「制作会社に丸投げ」ではなく、経営者の方が「自分が訪問者だったらどう動きたいか」を一緒に考えるところから、本当の改善が始まります。
もし御社のサイトに、上のどれかが当てはまるなと感じたら、私たちのWeb課題診断で具体的に見直しのポイントを整理することができます。30分の無料相談から、お気軽にどうぞ。


